朝ドラ『ばけばけ』の放送後、X(旧Twitter)で「小豆洗い」がトレンド入りしました。
きっかけは、トキがお見合いの条件として口にした一言、それは「できれば怪談好きな人」「小豆洗とか…」。
この“妖怪指定”ともいえる発言に、「小豆洗いってどんな妖怪?」「なんでトキがそれを理想に?」と話題が集まりました。
トキの理想ということなので、もしかして、ヘブンは「小豆洗い枠」なのでは!?とも考えられます
今回は、トキの言葉に登場した小豆洗いの正体と、彼女の帯に下がる根付けの意味を簡単に整理してみます。
トキのお見合い条件は「小豆洗いみたいな士族」
松野家が真剣に“トキのムコ探し”をするシーンでは、笑いを交えたやりとりが続きます。
「よく働いて、お金を稼いでくれる人。叶うなら、怪談がお好きな方が」と答えるトキ。
父の司之介が「つまり、河童みたいな相手ということじゃな」と冗談を返すと、トキは「河童とか天狗とか小豆洗いとか…」と妖怪の名を挙げました。
母のフミが「働き者の…小豆洗い?」とつぶやくと、トキは嬉しそうに、小豆洗いの絵を広げて説明します。
「小豆を洗う化け物で、時々人を取って食べるの」と語るトキの姿に、松野家の面々も思わず苦笑しますが、嬉しそうに説明するところから、トキは小豆洗いという妖怪が大好きだというのが伺えます。
勘右衛門が「士族の小豆洗いはどうじゃ?」と会話に乗ると、家族みんなで笑い合う展開になり、つらい現実の中でもユーモアを忘れない松野家のあたたかさが印象的なシーンでした。
“小豆洗い”とはどんな妖怪?
小豆洗い(あずきあらい/あずきとぎ)は、川辺で小豆を洗うという伝承を持つ妖怪で、日本各地に広く分布しています。
特に注目すべき伝承や説を以下にいくつか挙げておきます。
各地の伝承と特徴

小豆洗いは、山梨県・笛吹市境川や滝近辺、新潟県糸魚川、秋田県、京都府、愛媛県などなど、非常に多くの地域に伝承があります。
出没地域ごとに呼び名も変わり、「小豆とぎ」「小豆アゲ」「小豆こし」「小豆そぎ」「小豆さらさら」など、多様な別称が存在。
ばけばけの舞台、島根県においても、“人をさらう存在”という伝承が確認されています。
このため、島根の伝承では理性的な妖怪というよりも、闇の中から人の気配に近づく存在としての印象が強く、静かな恐怖を感じさせます。
トキが語った「人を取って食べる」という説明と、この島根伝承はある種響き合う部分がありますね!
正体・音響説・擬音表現などの解釈
正体については、イタチ、キツネ、ムジナ(狸など)、カワウソ、さらにはガマガエル・ヒキガエルなど、動物や自然音の化身とされる説が複数あります。
特に新潟県や長野県では、イタチが小豆を洗うような音を立てることを小豆洗いの正体とする言い伝えがあります。
また、「自然地形の音響説」という見方もあり、洞窟の反響音や水流のこすれ音が「小豆を洗う音」に聞こえ、それが妖怪伝承を生んだという説もあります。
擬音表現としては「ショキショキ」「サクサク」「シャリシャリ」などが伝承・文献に登場します。

トキの帯に下がる“根付け”は“小豆洗い
トキの衣装には、帯の先に小豆洗いをかたどった小さな根付けが付いています。

これは、単なる装飾ではなく、トキの趣味と性格を象徴するアイテム。
静かに怪談を愛し、少し風変わりな世界を大切にするトキらしさがそこに表れています。
根付けは、江戸時代や明治時代には持ち主の個性を示す小さなアクセサリーでもありました。
今後の展開への伏線?ヘブンとの共通点は怪談好き
今後の「ばけばけ」では、トキとヘブンの関係が物語の軸として展開される予定。
“怪談好き”という共通点は、ふたりの間に流れる静かな絆で、トキが語った「小豆洗いみたいな士族」という理想像は、穏やかで不器用ながら誠実なヘブンの姿とも重なる??のでしょうか
怪談は単なる“怖い話”ではなく、人と人、あるいは人と妖の“境界の物語”。
その世界を愛するふたりが、やがてどんな日常を紡いでいくのか──小豆洗いの根付けは、そんな未来のささやかな伏線のようにも見えます。
まとめ:【ばけばけ】怪談好きトキの理想の相手は小豆洗い!帯の根付けも
トキが理想の相手に「小豆洗いのような士族」と語ったシーンは、笑いに包まれながらも彼女の個性を象徴する場面でした。
帯に下げた“小豆洗い”の根付けもまた、怪談や妖怪を心から愛するトキという人物像を示す小道具といえるでしょう。
今回の“小豆洗い”トレンドは、ユーモラスな会話の中にも、ばけばけの世界観に息づく「人と妖(あやかし)」の距離感を感じさせる印象的な回となりました。
今後、トキとヘブンの関係に“怪談好き”という共通点がどう結びついていくのか――物語の伏線としても注目が集まります。

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