妻夫木聡主演の日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」。タイトルからは英国王室を思わせますが、実際は競馬界を舞台にしたフィクション作品です。
原作は作家・早見和真さんによる小説で、実在の人物や事件を描いたものではありません。
それでもドラマを見ている視聴者の間では「モデルはいるの?」「原作は実話なの?」と話題になっています。
この記事では、原作となった早見和真さんの小説や、登場人物に実在モデルがいるのか、登場人物との関係性などを徹底解説します。
ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」とは?
TBS系「日曜劇場」枠で放送されるドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」は、競馬界を舞台に“夢を追い続ける大人たち”を描くヒューマンドラマです。
主演は妻夫木聡さん。共演には目黒蓮さん、松本若菜さん、安藤政信さん、高杉真宙さん、津田健次郎さん、吉沢悠さん、小泉孝太郎さん、黒木瞳さん、沢村一樹さん、佐藤浩市さんと、実力派俳優が勢ぞろいしています。
物語の主人公は、大手税理士法人に勤める税理士・栗須栄治(演:妻夫木聡)。
人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の人事統括部長・優太郎(演:小泉孝太郎)から、赤字続きの「競馬事業部」の実態調査を依頼されます。
優太郎の父で社長の耕造(佐藤浩市)は、競走馬ビジネスに情熱を注ぐ人物。栗須は北海道の競り会場で耕造と出会い、そこで馬主・椎名(沢村一樹)との確執を目の当たりに。
税理士という異業種の立場から競馬の世界に飛び込んだ栗須の目を通して、「夢」「家族」「信念」を描いた熱い人間ドラマとなっています。
脚本は喜安浩平氏、演出は塚原あゆ子氏ほか。
原作は早見和真さんの小説「ザ・ロイヤルファミリー」(新潮文庫刊)で、原作のテーマや登場人物の魅力がどのようにドラマで再現されるのかにも注目が集まります。
原作は早見和真の小説「ザ・ロイヤルファミリー」
ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」の原作は、作家・早見和真さんによる同名小説(新潮文庫刊)です。
物語のテーマは「子は親を超えられるのか」。
競馬界を舞台に、馬主一家の20年間を描いたスケールの大きなエンターテインメント長編です。
主人公の栗須栄治は、税理士としての挫折を経験し、希望を見失っていたところで、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の社長・山王耕造と出会います。
競馬に情熱を注ぐ山王と関わる中で、栗須は再び夢を追うようになり、彼らは「ロイヤル」の名を冠した馬で有馬記念を目指します。
「子は親を超えられるのか」という問いを軸に、馬主一家の20年間を力強く描いたヒューマンドラマであり、競馬界のリアリティと人間模様を丁寧に織り交ぜた作品として高く評価され、第33回山本周五郎賞を受賞しました。

さらに「脚本がとんでもなく素晴らしい」「原作班の一人として作品づくりに関わりたい」と語っており、ドラマ版にも深く関与しています。
「モデル」は存在する?登場人物との関係性
ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」の舞台は競馬界。実在の馬主や関係者を思わせる描写が多いため、「誰かがモデルになっているのでは?」と話題になっています。
実際の競馬関係者に長期間取材を重ねたものの、あくまで創作としてのフィクション作品であり、実在の人物や出来事を再現したものではありません。
登場人物に特定のモデルはいない
原作者の早見和真さんは、約5年にわたり競馬関係者への取材を続け、複数の馬主や騎手、関係者と交流を重ねたと語っています。
「行きたいのに行けなかった場所はひとつもなく、会いたいのに会えなかった人もいなかった」と話し、現場で得たリアリティを丁寧に物語へ落とし込んでいったとのこと。
そのうえで「モデルとなった人物はいません」と断言。
オーナーとしては「サトノ」の里見治氏をはじめ、約10人の馬主に取材したそうですが、特定の人物を投影したわけではなく、それぞれの考え方や馬への思いを参考にしながらキャラクターを作り上げたといいます。
複数の馬主の要素がキャラに反映
作中には、現実の競馬界を知る人ほど共感できるリアリティがあります。
早見さんは取材の過程で「大物馬主と呼ばれる人ほど、馬に対して純粋な思いを持っている」と感じたと述べています。
登場人物の言動や価値観の中には、そうした実在の馬主たちから受けた印象や哲学が反映されている部分もあるようです。
つまり、モデルは存在しないものの、複数の人物から得た“リアルなエッセンス”がキャラクター形成の土台になっているといえるでしょう。
山王耕造のモデルはいる?元検察官・田中森一氏がイメージ源
主人公・栗須と深く関わる馬主・山王耕造については、「特定のモデルはいない」とされつつも、原作者の早見さんは「東京地検特捜部のエースと呼ばれた元検察官・田中森一氏をイメージしていた」と明かしています。
田中森一氏は、検察官から弁護士に転身し、晩年まで信念を貫いた人物。

早見さんは作家デビュー前に田中氏を約半年間取材した経験があり、「書くと決めたときから田中さんの顔が脳裏にあった」「馬主という存在と田中さんの生き方が重なった」と語っています。
つまり、山王耕造は実在の馬主をモデルにしたのではなく、早見さん自身が感じた“信念を貫く生き方”の象徴として、田中森一氏のイメージを投影したキャラクターなのです。
原作のテーマは家族(父と息子)
早見和真さんによる小説「ザ・ロイヤルファミリー」は、「血のつながり」と「継承」を軸に、家族をテーマとして描く壮大な人間ドラマです。
主人公は税理士の栗須栄治。人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の社長であり馬主でもある山王耕造に雇われ、山王の秘書として関わる中で、父と息子、そして「家族とは何か」という普遍的な問いに直面していきます。
物語の根底には、早見氏が長年描いてきた「父と息子」というテーマがあります。
早見氏はインタビューで、
デビュー以来ずっと父と息子というテーマを内包してきた。父に対しての屈託や、継承への思いがこの作品の核になっている
と語っています。
競馬の世界を通して描かれるのは、血統や勝負の物語であると同時に、親子の愛憎と、世代を超えて受け継がれる“想い”の物語でもあります。
500ページを超える長編は、山王耕造と愛人との息子・中条耕一、そして彼らの愛馬ロイヤルホープ、ロイヤルファミリーを中心に、二代にわたる家族の軌跡を描き出します。
まとめ:【ドラマ】ザ・ロイヤルファミリーのモデルは?原作ありフィクション作品
日曜劇場で放送のドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」は、早見和真さんの小説を原作にしたフィクション作品です。
舞台は競馬の世界ですが、描かれるのは“勝負”よりも家族や親子の絆、そして人の生き方。
登場人物に特定のモデルはいませんが、著者が多くの馬主や関係者に取材した経験から、リアルな人物像が生まれています。特に、山王耕造というキャラクターには、元検察官・田中森一さんの生き方が重なる部分もあるようです。
競馬というドラマチックな舞台を通して、「親を超える」「信頼をつなぐ」という普遍的なテーマが描かれる本作。この秋、心に残る家族の物語として、多くの人の共感を呼びそうですね!



コメント