2025年後期NHK朝ドラ「ばけばけ」が放送前から大きな注目を集めています。朝ドラファンの間では「原作はあるの?」「実話なの?」「実在のモデルは誰?」「元ネタは?」といった疑問の声も多く聞こえてきます。
「ばけばけ」は、明治時代の作家の小泉八雲=ラフカディオ・ハーンの妻、小泉セツをモデルとした物語。
でも実は、「ばけばけ」には小説や漫画といった原作は存在せず、完全オリジナルのフィクション作品です。
ただし、物語の背景には実在した人物や出来事が参考にされている部分もあるため、「実話に近いドラマ」として楽しめそうです。
この記事では、
- 「ばけばけ」に原作や元ネタがあるのか
- 登場人物と実在モデルの違い
- 実話との境界や創作部分
についてわかりやすくまとめていきます。
放送開始後は最新情報も追記していきますので、ぜひチェックしてみてください!
「ばけばけ」に原作はなくフィクション
「ばけばけ」は、小説や漫画など既存の「原作」をそのままなぞった作品ではなく、オリジナル脚本に基づくフィクションです。
脚本を担当するふじきみつ彦さんや制作側のコメントからも分かるように、制作チームは「ごく普通の人の日常」に光を当てる物語を意図しており、特定の書籍や漫画をそのまま映像化したわけではありません。
小説や漫画の原作は存在しない
「ばけばけ」のもとになる小説や漫画はありません。
しかしこれは「書籍を映像化した」という意味ではなく、あくまで参考にした実在の人物や出来事をもとに脚本を作ったということです。
実在のモデルや出来事が取り入れられている
「ばけばけ」の物語の背景や設定には、明治時代の国際結婚や地域をまたぐ生活、急速に西洋化が進む社会など、実際の出来事や人物をヒントにした要素が含まれています。
制作側は関係者や遺族への配慮、当事者が存命である可能性なども考慮し、登場人物や出来事は一部創作を加えた形で描かれることにしています。
そのため、史実に近い雰囲気を残しつつも、ドラマとして楽しめる脚色が加えられたオリジナル作品になっています。
「ばけばけ」登場人物と実在モデルの違い
「ばけばけ」に登場するキャラクターの多くは、実在の人物を参考にして作られています。
しかし、ドラマとしての見やすさや演出の都合から、名前や設定、エピソードの一部は創作や脚色が加えられています。
また放送が進むにつれて、新しい情報や具体的なエピソードも追記していく予定ですのでご期待ください!
【登場人物:松野トキ】モデル:小泉セツ
松野トキ(演:高石あかり)
ドラマのヒロイン松野トキ(高石あかり)は、民話や怪談を聞くのが大好きな少女として描かれ、母フミからの物語を心の支えにしながら成長します。
モデル:小泉セツ
モデルとなった小泉セツは、生後すぐに稲垣家へ養女に出されました。
11歳からは実父が興した機織会社で働いて家計を助け、18歳で稲垣家に婿養子を迎えるも離縁。その後22歳で小泉家に戻り、翌年ラフカディオ・ハーンの家で働き始めるました。

【登場人物:レフカダ・ヘブン】モデル:ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)
ドラマに登場するレフカダ・ヘブンは、新聞記者として来日し、松江で英語教師を務めることになります。そこでトキと出会い、交流を深めていく設定です。
モデル:ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
モデルとなったのはラフカディオ・ハーン(小泉八雲)。1850年、ギリシャ・レフカダ島で生まれ、複雑な家庭環境の中で育ちました。
16歳で片目を失明し、若くして渡米。新聞記者として成功を収めたのち日本に渡り、1890年に松江中学の英語教師となります。独特な「ヘルンさん言葉」を話し、それを理解できたのは妻セツだけだったと伝えられています。
【登場人物:両親・松野司之介/松野フミ】モデル:小泉弥右衛門湊/チエ
両親・松野司之介/松野フミ(演:岡部たかし/池脇千鶴)
ドラマでの松野家の父・司之介は、不器用ながら家族を支えようとする元武士。
母・フミは出雲の神話や怪談に詳しく、娘トキに物語を語って聞かせる優しい存在です。
しかし、“うさぎ商売”に失敗して多額の借金を作ってしまいます。その後、父は色々な職業を転々としますが、牛乳配達の仕事に落ち着きました。
モデル:小泉弥右衛門湊/チエ
モデルはセツの実父・小泉湊と母・チエ。
湊は出雲松平家の番頭で家禄300石を受ける家柄でしたが、維新後に没落。母チエは名家の娘でした。
【登場人物:雨清水家】モデル:稲垣家
親戚・雨清水傅/雨清水タエ(演:堤真一/北川景子)
ドラマに登場する雨清水家は、元武士の名家として描かれ、トキを親戚として大切に育てます。
雨清水傅(うしみずでん)は人格者として描かれ、タエは厳格ながらもトキに礼儀や作法を教える存在です。
モデル:稲垣家
モデルの一部と考えられる稲垣家は、セツの親類で家禄100石の武家。
セツは生後7日でこの家に養女として迎えられ、養母トミから昔話や伝説を聞きながら育ちました。
【登場人物:錦織友一】モデル:西田千太郎
錦織友一(演:吉沢亮)
ドラマの錦織友一は、松江随一の秀才で英語教師として登場し、トキとヘブンの人生に影響を与える人物です。
モデル:西田千太郎
ハーンを松江中学に招き、のちにハーンとセツの媒酌人も務めた実在の人物です。
36歳という若さで病没しましたが、八雲が最も信頼を寄せた友人として知られています。

【登場人物:山根銀二郎】モデル:前田為二?
トキのお見合い相手・ 山根銀二郎(演:寛一郎)
山根銀二郎はトキのお見合い相手としてドラマに登場。貧しいながらも誠実で、浄瑠璃や怪談を楽しむ純朴な青年として描かれています。
モデル:前田為二?
モデルとして推測されるのは前田為二です。
完全にフィクションの登場人物と考えられますし、鳥取藩士であった前田小十郎の次男・前田為二を部分的にモデルとしている可能性もあります。
【登場人物:中村守道】モデル:前田為二?
トキのお見合い相手 / 中村守道(演:酒井大成)
中村守道は、商いに従事する好青年として登場し、トキとのお見合い相手の一人です。
松江で良家の士族出身という設定になっています。
モデル:前田為二?
こちらもモデルとして推測されるのは前田為二です。
鳥取藩士であった前田小十郎の次男・前田為二は、セツが18歳のとき稲垣家に婿養子として迎えられました。
しかし困窮に耐えられず一年足らずで出奔。その後、正式に離縁し、セツは小泉家に復籍しました。

「ばけばけ」実話との違いは?創作部分をチェック!
「ばけばけ」は実在の人物や出来事をもとにしていますが、ドラマとして描かれる際には脚色が加わる可能性があります。
セツは生後すぐに養女へ
実際にあった史実
セツは生後わずか7日で、親類で子供のいなかった家禄100石の稲垣家の養女になり、幼少期は、養母トミから昔話や伝説などを聞いて育ちました。
しかし明治維新で士族は家禄を失い、稲垣家も没落。セツは小学校を優秀な成績で卒業したものの進学できず、11歳から父・湊が興した機織会社で働き、家計を支えました。
ドラマでは?
ドラマでは、養女ではなく実の両親と共に育っており、実際の史実とは異なる部分があります。
ドラマで描かれる親類の雨清水家は、稲垣家が部分的なモデルだったと考えられます。
トキの父が“うさぎ商売”に失敗して作った借金のため、学校に行くことができなくなりました。その後、雨清水家が経営する機織会社で働いています。

フランス軍事顧問からもらった虫眼鏡

実際にあった史実
明治初期、松江藩にフランス軍事顧問のフレデリック・ヴァレットが着任し、フランス式の軍事調練を指導しました。
幼いセツは養母に連れられて見物し、怖がる子どもたちの中でただ一人、好奇心いっぱいにヴァレットを見つめます。
その姿に気づいたヴァレットは、にこやかに近づき、小さな虫眼鏡を手渡しました。
この出来事はセツの大切な思い出となり、後に八雲と出会う運命をつなぐ象徴的なエピソードとされています。
私がもしも、ワレットから小さな虫眼鏡を貰っていなかったら、後年、ラフカヂオ・ヘルン(ラフカディオ・ハーン)と夫婦になる事もあるいはむずかしかったかもしれぬ
小泉節子「思ひ出の記」
ドラマでは?
現時点では虫眼鏡については描かれていません。
トキの幼少期のエピソードではこれについて描かれなかったため、大人になってから描かれる可能性もあります。

この重要な思い出のエピソードは、ドラマでも描かれる可能性が高そうですね!
養母トミの語りがセツの想像力を育んだ


実際にあった史実
セツの養母トミは、出雲大社の社家である高浜家の養女でしたが、家柄よりも心の豊かさを大切にする人でした。
幼いセツに昔話や神話、狐にばかされた話などを語り聞かせ、想像力を大きく育みました。
こうした情緒ある語りの時間は、のちのセツの物語好きな人格形成に影響を与え、ラフカディオ・ハーンとの出会いにもつながる土台になったとも考えられます。
ドラマでは?
民話や昔話などを聞くのが大好きなだったトキは、つらいことがあるといつも母のフミにねだって、怪談を話してもらっていました。
ドラマでは、出雲大社の上官の家で育ったのは、トキの実母!
出雲の神々の物語や生霊・死霊の話、目に見えないモノの話に詳しく、トキにお話を聞かせてあげていたのは、母でした。
まとめ:「ばけばけ」は完全オリジナル!フィクションと実話の境界を楽しもう
朝ドラ「ばけばけ」は史実をベースにしつつ、フィクションで再構成された完全オリジナルドラマです。
実在の小泉八雲やセツと登場人物の違いを知ると、物語をさらに楽しめますね!!
今後の放送で新たな事実や創作部分が見えてきたら、こちらの記事でも随時追記していきますので、ぜひチェックしてみてください。




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